5.行政書士試験の「難易度」を分析する

前のページでは、行政書士試験と他の国家資格試験の合格率を比較・分析してみましたが、ここでは、「合格率」とはまた違った切り口から、行政書士試験の難易度について見ていきたいと思います。

●求められる法律知識からわかる、行政書士試験の難易度

行政書士試験で求められる法律知識のレベルは、司法試験や司法書士試験と比べると、出題される判例も有名なものが中心ですし、易しいと言って良いと思います。しかしその一方で、受験の世界では、行政書士試験は難化傾向にあるとも言われています。試験制度改定前には合格率が5%を切ることもあったわけですから、それを考えると、合格率が7%前後で推移している今は、むしろ簡単になっているのではないかとも思えますが……。

実は、ここにも、試験制度改定の影響を見て取ることができます。改定前の試験では、単純に法律知識の有無を問う問題が少なくありませんでした。そのため、受験勉強を通じて覚えた法律知識の量と合格率は、比例の関係にありました。しかし改定後は、法律知識を前提とした上での思考力・応用力が問われる試験となり、結果として、これまでのような暗記に頼る勉強法が通用しなくなりました。これが、行政書士試験が難しくなったと言われるゆえんです。

ざっくり言ってしまうと、「知っていれば解けるが、知らなければ解けない」というのが改定前の試験だとすれば、「たとえ知らなくても、考えれば解ける」というのが新試験の特徴です。そうした意味では、確かに難化傾向にあるかもしれませんが、運に左右されない、フェアな試験になったというのもまた事実だと思います。

●合格するために必要な学習時間からわかる、行政書士試験の難易度

行政書士試験に合格するために必要な学習時間は、1000時間程度と言われています。同じ国家資格で言えば、社会保険労務士や中小企業診断士の試験に合格するために必要とされる学習時間も、やはり1000時間程度と言われています。
では、どれくらいの期間をかければ、1000時間分の学習を消化することができるのか。仮に、平日に2時間ずつ、土日に10時間ずつの学習時間を確保できたとして計算してみると、50週間、すなわち約半年で1000時間分の学習を行うことができます。ただし、これは理論上の話で、実際には、平日には残業、休日には家族サービスなどもあって、思うようには学習時間が確保できないはずです。実際には、9ヶ月から1年をかけての受験勉強となります。

資格試験のなかには、短期間の学習で合格が狙える「短距離走」タイプの試験から、司法試験のように、何年もかけて合格を目指す「長距離走」タイプの試験まで、さまざまな試験があります。その意味では、行政書士試験とは、瞬発力と持久力の両方がバランスよく求められる「中距離走」タイプの試験とも言えるかもしれません。

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